あの頃
苦しみだって財産だ。それは自尊心を満たしてくれる。
あの頃、僕が何に苦しんでいたのかを知りたくなって(だってあれほど深刻に悩むほどの理由はなかったように思えたから)、記録のないことが残念に思われたので、今の僕の記録をつけている。
現状としては、耐え切れないほどの苦しみ(と言っても僕以外のクラスメートは全員平気に耐えているのだが)に喘ぎながら、そこからヒントを得て、自分の求めるものがちょっとわかったというところ。そしてその求めるものが、現実逃避に過ぎないのではと、不安に思って考えるのを放棄している。